カバー   ツチオーネのおんがえし ISBN978-4-900656-91-8 
     
  文=もりた かず 【タテ】 27.8cm
  絵=軽部 武宏 【ヨコ】 21.5cm
  日本図書館協会選定図書 【本体価格】 1400円
   
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昔、山間の貧しい村にひとりの若者がいました。
ある晩、旅のお坊様が一夜の宿を請われました。若者が、なけなしのソバの実をおかゆに炊いてもてなすと、翌朝、お坊様は「ツチオーネ」の種をお礼に渡してくれました。
その種をまくと、畑いっぱいに葉っぱが広がり、土の中に真っ白な大きな根が育ちました。生でも、炊いても、焼いて食べてもおいしいツチオーネは、それから村中の人が作るようになり、漬け物にして売れるまでになりました。貧しかった村は、豊かになりました。
それを不興気に眺めていた隣り村の長者は、悪巧みをはかって、村人と漬け物倉に襲いかかりました。
そのとき、色白のりりしい侍たちが、どこからともなくやってきて、長者とその一味を退治してしまいました。
「ツチオーネ侍」と名乗った侍の正体は……?

この作品は、徒然草第六十八段を下敷きにした物語絵本です。

ページサンプル

◆徒然草  第六十八段  原文◆

筑紫に、なにがしの押領使などいふやうなる者のありけるが、土大根(つちおおね)を万にいみじき薬とて、朝ごとに二つづつ焼きて食ひける事、年久しくなりぬ。

或時、館の内に人もなかりける隙をはかりて、敵襲ひ来りて、囲み攻めけるに、館の内に兵二人出で来て、命を惜しまず戦ひて、皆追い返してげり。いと不思議に覚えて、「日比ここにものし給ふとも見ぬ人々の、かく戦ひし給ふは、いかなる人ぞ」と問ひければ、「年来頼みて、朝な朝な召しつる土大根らに候う」と言ひて、失せにけり。

深く信を致しぬれば、かかる徳もありけるにこそ。


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